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カバーアートは、ゲージュツだ!(第1回) | |
ISLAND/PICTURES | 我が家のLPとCDのコレクションの中で、もっとも希少価値があると思われるもの。 まぁ、手っ取り早い話しが、マニア向けの中古ショップへ売りに行ったら、いちばん高い値段がつきそうなものということですが…。これは、スイスのアイランドというグループの、『ピクチャーズ』というLPでしょう。1977年に、自主製作盤として発表された作品です。自主製作盤のため、販売枚数が少なかったことはもちろんですが、その高い完成度からプレミアがついています。1990年頃に、某プログレ専門店で、5万円の値が付けられているのを見たことがありますが、今だったら、どれくらいになるのかなぁ? 音については、いずれユーロロックのコーナーで紹介するとして、カバーアートに注目してください。このイラストは、HRギーガーのペンによるものです。 | |
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pict from hrgiger.com | |
| | EL&P /BRAIN SALAD SURGERY | |
ギーガーというと、EL&Pの『恐怖の頭脳改革』(1973年)が有名ですが、こちらは、イラストもさることながら、表紙が観音開きになっていて、中からメドゥーサの顔が現れるという、非常に凝った構成になっておりました。これはLPだけかと思っていたら、CDのほうでも、デジタルリマスタリングされた薄いジャケットで、再現されております。知らない人は、ぜひ一度手にとってみてください。 で、アイランドのほうですが、描かれているものはなんだか、すぐにわかりますよね。 そう、これはエイリアンの頭部です。 ギーガーは、エイリアンのデザインをしたことで、有名になりました。ただし、映画「エイリアン」の完成は1979年ですから、このLPの発売時点では、まだ構想段階だったと思われます。つまり、ここで描かれているのは、エイリアンの原型なのです。そのことも、このLPのプレミアを上げている、1つの要因になっています。 アイランドやEL&Pのジャケットからは、秘教・儀式・近未来といったイメージが連想されますが、みなさんはいかがですか?音のほうもまた見事に、ジャケットのイメージ通りなので、期待を裏切られることはありません。私はこのように、音のイマジネイションを増幅させることが、カバーアートの重要な効果だと思います。 | |
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| | | pict from hrgiger.com | | |
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THE SHIVER/WALPURGIS | | |
pict from hrgiger.com | | | |
さて、アイランドやEL&Pとともに、ギーガーの3大傑作となると、オーストリアのシベール(?たぶん、そう発音するはず)を忘れてはいけません。これは、アイランドなど比べものにならないほどの、超レアな希少盤だそうで、地元オーストリアでさえ、1984年当時5万円以上の値が付いていたそうです。当然私は未聴ですが、噂によると中身はジャケットほどおどろおどろしくはなく、ドアーズのようなオルガン中心のアートロックだそうです。(アニマルズの「悲しき願い」をカバーしているらしい。) それにしても、カバーアートを楽しむには、やはりLPサイズがよろしいようで、どうもCDになってからは、カバーアートに気合が入っていないような気がするのですが、 私の思い過ごしでしょうか?ロックのアルバムは、音と画が一体になっていないとおもしろくないですね。 名盤は、みんないいジャケットをしています。 PS:アイランドの『ピクチャーズ』は、米THE LASER'S EDGEがCD化しています。 | |
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