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だまって、コイツを聴いてくれ!(第1回)
「ジョー・ウォルシュ・ライヴ」
JOE WALSH / YOU CAN'T ARGUE WITH A SICK MIND
       
CD/MVCM-18004 1976年
1.WALK AWAY
2.MEADOWS
3.ROCKY MOUNTAIN WAY
4.TIME OUT
5.HELP ME THRU THE NIGHT
6.TURN TO STONE

 TVのニュースなんかで、よく映るじゃん。

 なんてことない、Tシャツとジーンズの外人の小僧がさぁ、すんごくキマってる姿。Tシャツの裾が、ジーンズのウェストから、テキトーに飛び出したりしてるんだよ。まるっきり外に出しているわけでもなく、かといってキチンとおさめるつもりもないみたい。
 「オマエ、Tシャツ出てるぞ!」って言ったら、すかさず「知ってるよ!」と返されそうな。ラフさと整然さ、意識と無意識、相反する要素が絶妙のバランスでブレンドされているカッコよさ。

 このアルバムには、そんなイメージがあるんだよ。

 アメリカン・ハードロック・シーンを代表するグループ、ジェームズ・ギャングを脱退したジョー・ウォルシュが、イーグルス加入直前に行ったソロ・ツアーの実況録音盤。

 

 

 

 基本的には、「気の合うダチ公たちと、気楽にジャムってみました。」って感じなんだけど。2本のギターのカラミとか、全員でコーラスをとる部分なんかは、キッチリ計算されているんだ。そんで、こんなにカッコいいハードロックをキメているくせに、ジョーったら、白いTシャツにジーンズ、おまけにぶっといサスペンダーしてんだぜ。日本人がマネしたら、思いきり「ダッセー!」って言われるようなカッコして、高そうなレスポール持って、ビシっとキマってるんだよ。

 ドレスアップして、演出されたステージを華麗にキメることが、ロックバンドの究極のカッコよさ。そう信じていた俺は、レッド・ツェッペリンやデヴィッド・ボウイーに憧れていたんだ。でも、このアルバムと出会ってから、考えが変わったよ。ラフな格好して、テキトーに演奏して、思いっきりキマったら、それが最高にカッコイイってことに気がついたんだ。けど現実には、ジョーみたいにキメるって、ヒジョーに難しいことなんだよね。やっぱ、ロックンロールが体に染みこんでいる、アメリカ人にはかなわねえなぁ~。

 

 

 ジェームズギャング最大のヒット曲で、もはやアメリカンロックのスタンダードになった、 「ウォーク・アウェイ」。2本のギターのからみが絶妙の、「メドウズ」。ねばっこいスライドとトーキングモジュレイターで、コテコテのブルース・ナンバー、「ロッキー・マウンテン・ウェイ」。ルーズなリフがカッコイイ、「タイム・アウト」。美しいコーラスがひたすらキモチイイ、「ヘルプ・ミー・スルー・ザ・ナイト」。そして、ジワジワと盛上げて、フィナーレを迎える、「ターン・トゥ・ストーン」。1曲としてムダがない、珠玉の名曲による構成。

 しかも、たったの6曲しか収録されていないので、40分も時間を作れば、イッキに聴くことができる手軽さ!(笑)その上、2000円でオツリがくる、とくれば何も言うことはないだろう?
 こういうアルバムを名盤というんだよ。さぁみんな、2000円札片手に、CDショップへ走れ~!

 ハードロック好きのギタリスト、必聴のアイテムだぞ。

 ところで、ジョーはブロンドの髪のくせに、ヒゲは黒いんだな。なんだか、いやらしい~なぁ。(笑)その上、そのヒゲをヒットラーみたいに、まっ四角に揃えているんだよ。これは、さすがにイカさないと思うんだけど、鼻の下にオデキでもあったのかなぁ?

PS:ジミー・ペイジのレス・ポールは、ジョーがプレゼントしたんだって。気前のいいヤツだよね?

 

 

 
画像提供:nobuさん