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たたかふ、ちうねんろっかぁ
 
第3話「突然、イケてるバンドになりました」

 明けて2004年。
 今年こそ精力的にライブをやろうと気合いを入れてはみたものの、何も実現しないままただむなしく年の前半が過ぎてしまった。
 会社勤めをしている者にとって、3月から4月にかけての年度替りの時期はたいへん忙しい。ライブどころか、練習のスケジュールを入れることさえままならない。どうも、この時期がブレーキになってしまうようだ。やはり、現在の状況でバンド活動を続けることは難しいのか?なんとなく行き詰まっていた俺に、1通のメールが届いた。

 それは、船橋にある『SAUSALITO』というスナックのマスターから、地元で毎年開催されている『CARNIVAL』というライブイベントへの参加依頼であった。
 『SAUSALITO』は、失業中に先輩から紹介されたスナックで、ミニライブなども開催されるちょっと小粋なスペースである。『CARNIVAL』は、マスターと常連客の一部を中心として、普段あまり演奏する機会のない公民館のホールを使い、一般のお客さんたちを呼んでいろいろなジャンルの音楽を楽しもうというイベントであった。

 『LOOSE CONNECTION』ははじめて、昔からの仲間以外の場所で演奏する機会を得たのである。

 

 

date: 2004.7.18(日)
place: 船橋・宮本公民館
1, REBEL REBEL(DAVID BOWIE/初演)
2, TOMORROW NEVER KNOWS(THE BEATLES)
3, HELTER SKELTER (THE BEATLES)
4, ACROSS THE UNIVERS (THE BEATLES/初演)
5, YER BLUES (THE BEATLES/初演)
6, HEROES (DAVID BOWIE)

 あえてカバーばかりの選曲にしたのは、客層を考えてのこと。また、ビートルズ・ナンバーが多いのは、この年の『CARNIVAL』の“お題”に指定されていたからである。(“お題”は毎年決まっているのだ。)普段着に近いわりと地味な衣装も、一般客を考慮したからに他ならない。

 この日、初めて演奏した曲は3曲であった。

 「REBEL REBEL」は、デヴィッド・ボウイの『ダイアモンド・ドッグス』に収録されていた曲。俺とmarcは過去に、別のバンドで演奏したことがあった。デヴィッド・ボウイがこの年の初めに来日した際に、オープニングとして演奏された。この時のコンサートはメンバー全員が見ており、今年を象徴する1曲として選んだのである。
 が、しかし…、
 近親者が見に来ていたからか、珍しく緊張してしまった俺が、あろうことか思いっきりミスをしてしまい、記憶から消してしまいたいような演奏になってしまった。残念、というか、まだまだ修行が足りないようである。

 「ACROSS THE UNIVERS」と「YER BLUES」は、数あるビートルズ・ナンバーから選んだ“通好み”の2曲である。
 「ACROSS THE UNIVERS」はmarcの提案により、あえてデヴィッド・ボウイのブートレッグ・ヴァージョンを採用した。どうだこのアレンジは?と自慢したかったのだが、共演したバンドのギタリストにあっさり見破られてしまった。タダモノではない?
 「YER BLUES」はこの後アレンジを施して、オリジナル曲「黒猫」へと発展することになる。これもこの後、先輩にあっさり見破られてしまったのだが…、俺達のやることって、所詮この程度なのであろうか?

 しかし、「ACROSS THE UNIVERS」のアレンジを見破ったギタリストは我々を絶賛し、そのサウンドを“ロキシー・ミュージック+レッド・ツェッペリン”と表現した。俺はこの表現がひどく気に入り、この後バンドのプロフィールに必ず付け加えることにした。

 『CARNIVAL』はアットホームな雰囲気で、たいへん楽しかったのであるが、一方で「俺の求めているのはこーゆー感じじゃないんだよね」、と思ったこともまた事実であった。
 はたして、“俺の求めている感じ”とは…?

 

 

↓宮本公民館のステージ全景。
 『CARNIVAL』に出演しグダグダしているうちに、あっという間に年末がやってきてしまった。そして、3回目の出演になる、年末の『吉祥寺・曼陀羅2(中央大学軽音楽同好会OB・忘年会)』がまたやって来た。
date: 2004.12.4(土)
place: 「吉祥寺・曼陀羅2」
1, HELTER SKELTER (THE BEATLES)
2, 黒猫(オリジナル/新曲)
3, I'VE GOT THE FEVER(オリジナル/新曲)
4, ACROSS THE UNIVERSE (THE BEATLES)
5, SACRIFICE(オリジナル)
6, SATIN DOLL(オリジナル)

 「I'VE GOT A FEVER」は、このメンバーによるオリジナル曲の第1号である。
 ITOが練習の際に「こんなの作ったんっすけど…」とビコビコとベースラインを披露してから、人前で演奏するまでに実に1年半もの歳月を要した超熟成作品である。なにしろ、彼はベースラインしか考えていなかったのだから…。俺もいままで多くのオリジナル曲を手がけてきたが、完成されたベースラインに後からアレンジを施すという、ファンキーな手法に挑んだのは、これが初めての経験であった。正直な話し、かなり難産であった。しかし、この曲を完成させたことで、我々のチームワークが格段に向上したことは言うまでもない。いろいろな意味で、たいへん思い出深い曲である。

 「ACROSS THE UNIVERSE」は、「I'VE GOT A FEVER」と並んでこの年を象徴する曲である。
 あうんの呼吸を要求しているというか、メンバーの息が合わないと成立しない構成になっているため、バラバラな時はバラバラ、うまくいった時はこの上なく素晴らしいと、出来不出来の差が激しい。
 この日は息がピッタリ合ったため、たいへん素晴らしい演奏になった。marcは「Nothing's gonna change my world/なにも俺の世界を変えることはできない」と繰り返した。なんだか、耳に残るリフレインであった。

 

 

←振り向いたら…
こうでした(笑)→

 さて、この日のmarcの衣装は、もう完全に理解不能なレベルである。本人もこの件については、あまり多くを語ろうとしない。さらに、我々メンバーですら、ステージに上がるまでまったく知らされていなかったという…、完全無欠なオチがついている。
 それに比べて俺は、ほぼ普段着であり皮パンすらはいていない。これは、招待していた客すべてにキャンセルされてしまい、まったくヤル気がなくなっていたためである。
 ところが…、
 この日の演奏は凄まじいレベルだったのだから、世の中はわからないものだ。
 しっかりとまとまったリズムセクションに乗って、俺のギターはこの数年来もっとも凶暴に吠えまくった。まさに“暴力的”な音だった。
 映像を見なければ(?)、まさにベストライブのひとつに数えられる演奏だ。
 そして、
 俺はこの時、初めて確信した…、
 「このメンバーのLOOSE CONNECTIONはイケる」ということを…。

 

 

BACK 撮影:りんちゃん(7/18)、MARIKO&POCHI(12/4)「THANKS」
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